EXFA新作 「DFW」 発売開始

2005年08月15日

■戦後60年の節目だからってわけじゃないんだけど
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戦後60年の節目だからってわけじゃないんだけど

失敗の本質―日本軍の組織論的研究
戸部 良一
中央公論社 (1991/08)
売り上げランキング: 905
おすすめ度の平均: 4.59
5 あなたの会社は、旧日本軍になってませんか?
5 今も変わらないニッポンの本質
5 戦略を語るなら読んでおくべき本

改めて力作”失敗の本質-日本軍の組織論的研究-”を読み返してみた。

この本は第1章において、組織論や経営学の専門家がノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦の6つの戦いを分析し、日本軍の敗因を組織論の面から炙り出し、第2章、3章ではその6つの作戦を通してみられる日本的組織の特性とその問題点を暴いている。

この本が指摘する日本人的組織の弱点は、無条件降伏という強烈な裏づけもあり、非常に示唆に富んでいて勉強になる。っていうか60年前の敗因が殆ど是正されてない日本&日本人の将来が空恐ろしくもなってくる…

しかし、これだけの力作でありながら歴史的名著になれない残念な点も散見する

そもそも、なんでこの”失敗の本質”を読み返したかと言うと、SOCCER UG BLOGで度々ネタにしている

DQN日記(++)のコメント欄でこの”失敗の本質”が話題になっていたんで

SOCCER UG BLOG (2005-08-09 02:56)
DQN日記で『失敗の本質』について書いてたんだ。僕はあの本、沖縄戦の項に首を傾げざるをえなくて、あんまり評価してないんだよね。ところで、同じようなテーマを扱った『転落の歴史に何を見るか-奉天会戦からノモンハン事件へ』って読みました??作者と似たような位置に居たと思われる(?)DQN++兄さんの感想聞きたし。

とレスをつけたからなんだけど、読み返してみても沖縄戦を組織論的観点から失敗と位置づけるのは無理があると思う。

それと「失敗の本質」で読み足りないと思うのは戦争の事を扱っていながら兵器の記述が弱い事だ。
例えるなら、失敗の本質では陸軍一式戦闘機”隼”を名機として扱っている。
しかし、残念ながら”隼”は名機とは言えない。
なぜ隼が名機ではないかと言うと、火力が致命的に弱いからで、では、なぜ隼の火力が弱いかと言うと、翼の構造に問題があって、翼に機銃を乗せられず、胴体に7.7mmが2門しか載せられないからだ。
これは戦闘機としては致命的な問題であるにも関わらず、陸軍は隼を採用し、6000機も作った。
現場の意見を聞いていれば、この問題は設計段階で判かったはずなのに、どうしてだか、それができなかった。
これも日本陸軍の組織的な問題だろう。

また、隼と同時期には海軍が傑作”零式艦上戦闘機”を作り出している。
ほぼ同じエンジンで同じ発想から作り出した機体でありながら、零戦のほうが隼より速度、航続距離に優っている。
零戦には翼の構造の問題点も無く、翼に機銃を乗せる事が可能で火力も隼より勝っている。
陸軍と海軍の仲の悪さを考えれば無理な話ではあるが、ただでさえ貧乏国だった日本の国力を考えれば、主力戦闘機を2つ作って、生産ラインや補給物資を分けるような贅沢はせずに、陸軍も素直に零戦を作るべきだったはずだ。
この点も日本軍の組織的問題に帰するはずだが、組織的問題を取上げているはずの"失敗の本質”でその事を無視し、隼を名機と書いちゃってしまっているのは残念だ。


とはいえ、膨大な記録が残っている大東亜戦争で作戦と兵器の事をまとめて書けるはずもないか…

そこで、兵器やその運用での大日本帝国軍の失敗から教訓を得るには
「失敗の本質」を受けて書かれた

日本軍の小失敗の研究―現代に生かせる太平洋戦争の教訓
三野 正洋
光人社 (2005/07)
売り上げランキング: 16,682
おすすめ度の平均: 4.6
5 日本軍の小失敗を通して日本を知る
3 国民性によって戦争に向き不向きがあるのか
5 組織論としての名著

三野 正洋の
”日本軍の小失敗の研究”&”続・日本軍の小失敗の研究”ついでに”日本軍兵器の比較研究”
をお奨めしたい。

この”日本軍の小失敗の研究シリーズ”はちょっとマイナーだけど
”ああ〜日本って60年間進歩してねーんじゃねーの??”
と考えさせられる事が多い”失敗の本質”に劣らない名著だと思うんで、
小林よしのりなんかを読む暇があったら、こっちを読んでくれ。

さらに書けば、↑上記の本でも取上げられない
”カタログスペック”に囚われない、現実での兵器の運用面での諸問題については
兵頭二十八の第二次世界大戦関連の著作物が非常に勉強になるんでお奨め。


さて、

こうして旧大日本帝国軍の敗因に関しての著作物を色々と読み漁るようになるにつれ
180度、評価を一転せざるを得なかったサッカー批評をやっている作家が一人居る。

それは

村上龍だ。

村上龍は7〜8年ほど前、事ある毎に

”JFAは日本帝国軍とそっくりだ”

と繰り返し、繰り返し指摘していた。

(たしか)フランスW杯の敗戦も

”これをノモンハンにしてはならない”

みたいな事を言っていた。

あの当時は

”変態SM作家の分際でナニを大袈裟な事を言ってやがるんだ!!”

と思っていたし、そのような事をJ-NETに書き込んでいたが
ここに悔い改めます。


大日本帝国軍の大きな敗因となった日本的な組織の諸問題は
そこかしこにJFAに散見する。

残念ながら、村上龍の言っている事は正鵠を得ていたと思わざるをえない。
そして、この問題は一向に改善が見られていないと思う。

(たぶん、このエントリーは追記します)

コメント

http://www.luzinde.com/
ゼロが傑作と思ってる方、これ見てバランスとれ。

Posted by: at 2005年08月16日 02:57

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

Posted by: at 2005年08月16日 04:29

たった60年で国民性が変わるとは思いません。
これは民族の『癖』ではないですか?
若しくは、もっと根本的なもの。
そんなに簡単に治るとは思わないです。
60年なんて『60年も』ではないと思う。

Posted by: uso8000 at 2005年08月16日 08:04

村上龍はヒデのメル友

Posted by: at 2005年08月16日 15:58

青葉区(仙台ではない)の自宅の書斎には)
ヒデのローマ時代の8番のウェアが掛けてある写真が東急の広報誌に載ってたぞ

Posted by: at 2005年08月16日 17:08

すごい言われようだ。
叩けるとこ見つけて徹底的に叩いてるな・・・

Posted by: at 2005年08月16日 17:53

↑↑
以前SSU会長宅に行った時に飾ってあったから、それを譲り受けたのかな。

村上龍と村上春樹をよく間違えるのは秘密。

Posted by: at 2005年08月16日 18:09

龍のフィジカル・インテンシティってまだどこかで連載してん?

Posted by: at 2005年08月16日 19:28

正鵠は射るものです

Posted by: 揚げ足取り at 2005年08月16日 21:41

【正鵠を得る】
核心をつく。「正鵠を射る」とも。「その推察は正鵠を得ている」
(広辞苑より)

Posted by: の揚げ足取り at 2005年08月16日 23:21

日本は、決して「無条件降伏」していません。
偏った本ばかりよまずもっと勉強しましょう。

Posted by: U-60 at 2005年08月17日 00:08

一式戦「隼」は、一型丙以降では12.7mm砲×2門搭載になっている。

あと三野正洋氏は、軍板住人から見ても
軍事的知識を著しく欠いていると思われる部分が散見されるため、
鵜呑みにするのはよくない。
(当たってる部分もあるけど、それは以前から他の人に指摘されてる部分だったりするし)

Posted by: 中島飛行機 at 2005年08月17日 13:17

村上龍はメルマガでもサッカーの事を触れなくなったなー

Posted by: at 2005年08月17日 16:07

村上龍とといえばコックサッカーブルースのほうのサッカー

Posted by: at 2005年08月17日 17:10

村上龍とといえばコックサッカーブルースのほうのサッカー

Posted by: at 2005年08月17日 17:11

ゆーじーさんは二階堂とか見てる?

Posted by: at 2005年08月17日 19:51

村上龍は戦後50年の1995年に5分後の世界を書いてますからね。その際に旧日本軍に関して結構研究したはずですよ。
あとご存知かもしれませんがFマリノスの岡田監督も旧日本軍に関する本をかなり読まれています。あるインタビューで山本七平の「空気の研究」に言及されていたのを思い出しました。もしまだ読まれていないようでしたらこちらもぜひ呼んでみてください。

Posted by: at 2005年08月20日 20:09

「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047041572/ref=ase_mixi02-22/249-5035137-4536307

も、面白いのでお勧めします。

Posted by: at 2005年08月21日 12:32

国民性とか民族性とか言うやつは馬鹿

Posted by: at 2005年10月29日 02:04

少し調べれば分かることだが、
日本代表と昔の日本軍を重ねたのは、何も村上龍が最初ではない。
またスポーツでは、サッカーだけでもない。
この程度のことで、村上龍のようなサッカーファンとしては傍迷惑な人物の
評価を180度変えるなどということは、UGなんて所詮その程度、ということだ。

Posted by: at 2005年10月30日 14:14

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